アレルギー性鼻炎の原因となる物質にはいろいろなものがあります。 季節性のものには、スギ、ヒノキ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギなどがあり、通年性のものには、ダニ、ハウスダスト、イヌ・ネコ上皮などがあります。最も有名なのはスギ花粉症ですが、アレルギー性鼻炎のガイドラインでは、初期療法として花粉が飛び始める前(1~2月)から内服薬を飲み始めることが推奨されています。最近は眠くならない内服薬が主流を占めています。またステロイドの点鼻薬では、ステロイドは血液中に移行しませんので、ステロイドの副作用はありません。 なお当院ではステロイドホルモンの「注射」は危険であると判断していますので行っておりません。またレーザー治療も行っておりません。
くしゃみ、鼻づまり、透明な鼻水といった症状はアレルギー性鼻炎と似ていますが、ダニやハウスダスト、花粉といった物質ではなく温度や湿度の変化に敏感であることがこの病気の原因です。治療にはアレルギー性鼻炎と共通の点鼻薬(ステロイド、血管収縮剤)を用いますが、抗アレルギー薬の内服は効きませんので注意が必要です。アレルギー性鼻炎と間違われて抗アレルギー薬の内服をしても効かない場合はこの病気である可能性があります。
俗に蓄膿(ちくのう)ともいいますが、正式には「副鼻腔炎(ふくびくうえん)」といいます。抗生物質の効きにくい耐性菌が原因の場合には治りにくくなります。 当院では細菌検査を行いどの抗生物質が効くかを調べて治療を行います。治療がうまくいって鼻汁が減っても副鼻腔内の粘膜の腫れはまだ残っていますので、マクロライド少量長期療法という治療法で粘膜の腫れを改善させます。この治療法で治癒率も上昇してきていますが、それでも治らないときには大人の場合手術が必要になります。